保健・医療・福祉サービス研究会様主催の「パワハラ防止法に完全対応する管理職スキルアップ講座」に登壇いたしました。
本来は9月を予定したいたのですが、コロナにより11月に延期になり、会場開催ではなくオンラインによる講座となりました。
オンラインセミナーは自主開催では何度か行っていましたが、団体様向けのオンラインセミナーは初めてです。
参加者は、医療機関や施設の経営層や人事担当者の方が中心でした。
今年はパワハラ防止法が施行されたことで、法人・団体様からパワハラに関する相談を受けることが増えました。
今回のセミナーも、医療や福祉の職場が、法施行に伴いパワハラを防ぐ環境を構築するための手法を学ぶことが大きな趣旨です。
私が企業研修でパワハラの話をするようになったのは、2007年辺りだったと思います。
その頃は、2005年に起きた福知山線脱線事故の日勤教育がパワハラとして話題になるなど、世の中に「パワハラ」という言葉が浸透し始めてきた時期です。当時、職場の人間関係によりうつ病や退職に至るなどの問題が増えてきて、企業側もパワハラ対策に乗り出し始めた時期で、そこから定期的に企業でパワハラの話をするようになりました。
当時私が行っていたパワハラ研修は、「パワハラとは何か」「どこからどこまでがパワハラなのか」のような内容が中心でしたが、そのような内容の研修をしても、あまり効果がないことに気づきました。
今となれば当たり前の話ではありますが、パワハラは人間関係の問題ですから、知識を詰め込むだけでは解決しないですよね。
それよりも、「パワハラが起きる関係性」「パワハラが起きやすい組織の特徴」などを理解して、日ごろのコミュニケーションや役割の取り方、職場環境改善などに取り組んでいく必要があるのです。
私がいつもセミナーで話をする「バウンダリー(境界線)」の話も、元々はパワハラ研修に取り入れたものでした。
管理職が、パワハラになるリスクのある人間関係の距離感を学んでもらい、役職者としての自己理解を深めて部下との関係を整えていく。知識を詰め込むだけでなく、自分のことを理解して、人間関係の距離感を意識してマネジメントを行う。
今回も、この考えをもとに、バウンダリーを切り口に、援助職の現場で起きるパワハラ・離職・健康問題や人間関係のトラブルなどの構造を学んで頂いた上で、日ごろから役職者が気を付けるべき、パワハラを防ぐための取り組みを解説しました。
オンラインで不慣れな面も多々ありましたが、私の伝えたいことは伝えられたかなという印象です。
今回、私を講師として呼んでいただいた保健・医療・福祉サービス研究会様、そしてご参加いただいた団体の皆様、本当にありがとうございました。
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