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部下同士の仲が悪く、お互いに悪口を言い合い業務に支障が出ている際にとるべき管理職の適切な対応とは。

毎日忙しく働く役職者にとって、職場の人間関係は組織の生産性に直結するため、できるだけ良好であるにこしたことはありません。

ただ、部下同士がとても仲が悪く、お互いに悪口を言い合い、一切口を利くことすらしない。

それにより業務が滞り、周囲が気を配り気を利かせてなんとなく仕事が回っていく。

雰囲気は常にギスギスした感じで、お世辞にも「職場環境は良好です!」なんて言えなくて、息苦しい毎日を送っている。

このような職場は意外と多く、これまでにいくつも相談を受けてきています。

つい先日もこのような話を聴いたため、今回はブログで対応方法を解説していこうと思います。まず、実際に寄せられた相談から紹介しますので、ぜひ読んでみてください。


お互いに悪口を言い合う部下がいて、手に負えません…

うちの職場で、お互いに仲が悪くて悪口を言い合っている女性の部下がいまして、本当に困っています。

ひとりが今年の4月に異動で着任して、そこからです。
2人とも40代で年齢も近いし、本当はうまくやってほしいんですよ。

でも、お互いに相手のやり方やら性格やらが気に入らないみたいで、一ヶ月も経たないうちに衝突して、そこからほとんど口を利かなくなりました。

2人とも、いないところで相手の悪口を色んな人に言っています。

私に対しても「彼女のせいで仕事がしづらい。なんとかしてくださいよ!」と訴えてきます。

席が隣同士ですごく嫌悪だったので、席替えをして離しました。担当している仕事もかぶらないようにして、距離を置かせてます。

でも、それでも同じ課ですから、全く関わらないわけにはいきません。
何かあるたびにお互い刺激になるようで、二人とも接触を避けています。

ひどいんですけど、二人とも他のメンバーを伝言役にするんですよ。
メモを残す程度のことでもイヤみたいで、私もよく使われます。「〇〇だと言っていてください」と。

みんなそれに悪い意味で慣れてしまって、二人に気を遣いながら仕事をしています。
毎日息苦しさを感じながら働いています。

二人には、もう大人なんだから割り切って働いてほしいなと思っているんですけど、どうにもできなくて。

今度、二人を呼んで、私が間に入って話し合いをしてみようかと考えていますが、どうでしょうか。

お互いに誤解などもあると思いますし、言いたいこととかもその場で吐き出してもらって、それで手打ちができればいいのかななんて考えています。

他にも何かよいやり方があれば知りたいです。どうすればいいでしょうか…。

このような悩みは、役職者にとっては本当に苦しいものです。

なんとか二人に改心してほしいでしょうし、やるべきことをちゃんとやってほしいと思いますよね。

でも、一人一人と話をしても、自分の正当性を主張して「私は悪くない」「私を指導する前にあの人をなんとかしてくださいよ」なんて言われてしまえば、途方に暮れた気持ちになってしまうのも無理はないでしょう。

では、実際にどのように対応をすべきなのでしょうか。

この役職者の方が言うように、二人を呼んで、三人で話し合いをすることが良いやり方なのでしょうか。ここから解説していきます。


仲裁に入り、当事者同士に話し合いをさせる対応では解決しない。

このような問題で困っている役職者の方に共通する点は、「話し合いをすることで相互理解を深めて、関係を改善させることが解決につながる」と考えていて、そのための方法を一生懸命に模索しているということが挙げられます。

だから、当事者同士を呼んで間に入って話し合いをさせたり、勉強会の場でレクのようなことを企画してコミュニケーションをとらせたりして、関係が変わることを期待します。

それでもダメな場合は、「まあ、そう言わずに、なんとかうまくやってくれないかな」と、一生懸命に説得をするような関わり方をします。

まず、私はこのような対応が悪いとは思いません。
話し合いで相互理解が深まり、関係が改善して仕事の仕方が変われば、それはとても素晴らしいことだと思います。

また、個別に面談を重ね、「なんとか協力してほしい」と訴えて当事者の行動が変わるのであれば、それは良いことですよね。

ただ、私の知る限りでは、ここまでの問題に発展するほどに関係が壊れている場合、上記のようなやり方はほとんどうまくいきません。

そのことは、あなた自身が最もよくわかっているはずです。

それがうまくいかないし、なにを言っても聞く耳を持ってくれないから、あなたは毎日困っているのですよね。


問題は「相手を嫌うこと」ではなく「個人的な感情で役割を果たさないこと」

「どうしたら彼女たちは変わってくれるだろうか…」

頭を抱えている管理職の方に私がいつも伝えるのは、きわめてシンプルなことです。

管理職の役割は「仲直りさせること」ではなく、「仕事をさせること」である。

これですよね。
まずはこの原点に立ち返りましょう。

これは誰にでも当てはまることだと思いますけれど、職場で複数の人と毎日顔を合わせて働いていれば、どうしても性格的に合わないなと感じる人は出てきますよね。

でも、だからといって皆さんは苦手な同僚に必要な連絡を伝えなかったり、周囲に気を遣わせるほどに嫌悪な雰囲気を出しますか?

周囲に悪口を言いふらし、相手を貶めるような行動をとるでしょうか。
決してそんなことはないですよね。

「苦手だな」「なるべく話したくないな」

そんな思いは抱えながらも、職務を遂行する上で必要なコミュニケーションをとり、役割を果たそうとしますよね。

また、相手への不満が強ければ上司や同僚に相談したり、TPOをわきまえて安全な場で愚痴をこぼしたりしているのではないでしょうか。

決して、公然と同僚を批判して派閥を作ったり、一方的に業務を放棄したりはしないはずです。
ここまで説明すればわかりますよね。

つまり、問題は「相手を嫌うこと」ではなくて「個人的な感情により、職務を放棄したり、悪口を言いふらして職場のモラルを低下させる行為」なのです。

だから、職場としてまず当事者に求めることは、「仲直り」ではありません。

「個人的な感情で職務を放棄すること」
「悪口を言いふらして職場のモラルを低下させること」

この二つの行為を問題として扱い、指導して明確に改善を求めることです。

「〇〇さんと性格的に相性が悪いのはよくわかったけど、話したくないという理由で間に人を挟むことは今後はやめてください。必要な連絡は直接するようにしてください」

「公然と悪口を言って職場のモラルを低下させる行為はやめてください。不満があれば私が聴きますし、その上で改善を求める必要があれば私から注意しますから。だから何かあれば私に言ってください」

「〇〇さんに求めたいのは、個人的な感情で業務を放棄したり、職場のモラルを低下させるような行為はせずに、社員として職務を遂行してもらうことです」

このように(あくまでも一例ですが)、職場として改めてもらう必要があることをしっかり伝えましょう。
これが大切になります。

今後も部下の問題への対応のブログ記事は増やしていきますので、ぜひ読み進めて理解を深めていただきたいです。

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公認心理師・精神保健福祉士。精神科・EAP機関・カウンセリングルーム・学校などで、2万件以上の相談を受けてきたカウンセラー。講師としての経験も豊富で、企業や公的機関において15年以上に渡り、メンタルヘルス、ハラスメント、コミュニケーションなどをテーマに講演を行っている。
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