千葉県の生活保護法指導監督職員研修において「ケースワーカーの離職と燃え尽きを減らす、管理職の役割と実践法」をテーマに講演を行いました。
今回、ご依頼を頂いた時、「ついに来たか!」と気持ちがグッと高ぶったことを覚えています。
というのも、私がエイダーズを開業してからのこの3年、過酷な業務で疲弊した多くの生活保護ケースワーカーさんが、私のセミナーやカウンセリングに訪れてくれていたからです。
皆さんの話を聴くたびに、過酷すぎる職場環境に胸を痛め、なんとかこの状況を変えるきっかけを作れたらと、以下の二つのブログを書きました。
激務で毎日辞めたいと思う生活保護ケースワーカーさんが、自分自身を見失わないために伝えたいこと。
京都府向日市のケースワーカーと生活保護受給者による死体遺棄事件はなぜ起きたのか。「過酷な職場環境と事件の関係性」と紐解く。
いつか生活保護ケースワーカーのメンタルヘルスに組織レベルで関わる仕事ができればと思っていたのですが、こんなに早く仕事をいただけるとは思ってませんでした。
千葉県社会福祉協議会様、本当にありがとうございます。
研修には、生活保護の現場で管理職を務める16名の方にご参加頂きました。
休職者を抱えて常に人員不足であったり、窓口や電話で無理な要求や暴言を繰り返す受給者への対応に困っていたり、皆さんそれぞれ現状への困難を感じている様子がわかりました。
今回は、5時間という長丁場の一日研修でしたが、私が伝えたいことを一通り詰め込んでお伝えしました。
第Ⅰ部:ケースワーカーが燃えつきる構造を「バウンダリー(境界線)」を切り口に理解する
第Ⅱ部:「困った生保受給者への対応」における、管理職の役割と対応方法
第Ⅲ部:大きなショックを受けたケースワーカーへの「回復を早める方法」と「悪化させる対応」
第Ⅳ部:職場で起きるメンタルヘルス問題における、管理職の役割とは
第Ⅴ部:質疑応答、職場の困りごとの共有・相談、ディスカッションなど。
普段私が色々な職場の相談を受けていて感じることは、役所などの公的機関は、民間と比べて「できることとできないこと」がとてもはっきりしているということです。
役職者といっても一人の公務員であり、職場の課題を解決しようとしてもできることには限界がある。
それは当然のことで、私も重々理解しているつもりです。
ただ、役職者が「どうせ無理だ」「そう言われてもうちではできない」で済ませてしまうと、現場で身を粉にして働くケースワーカーはより強い無力感に苛まれ、燃え尽きるリスクが一気に上がります。
だからこそ、私の話を聴いて、役職者である自分にできることを真剣に考えてほしい。
どんなに小さなことでもいいので、諦めないでほしい。そんな役職者の存在に、現場のケースワーカーは救われるのです。
今回はそんな私のメッセージと共に、現場で必要な対応策を解説しました。
参加された方からは「困っていたことがたくさんあったので、具体的な対応を学べて本当に良かった」「こういう研修は今までなかったので、ぜひ参加したいと思って来た。胸に刺さる話がいくつもあって、今日学んだことを早速活かしていきたい」などの感想を頂きました。
千葉県では、今回初めて生活保護ケースワーカーのメンタルヘルスを扱う研修を行ったようで、そこに私を呼んでいただけことは本当にありがたく思います。
千葉県での取り組みが他の地域に伝わり、生活保護ケースワーカーが働きやすい職場づくりが全国で進むことを切に願います。
千葉県社会福祉協議会様、お忙しい中ご参加頂いた皆さま、本当にありがとうございました。
※今回の研修内容に興味がある方はこちらをご確認ください。
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