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うつ病で休職をすることになったあなたにまず伝えたい「休職初期の過ごし方」

休職中の過ごし方はどのようにしていればいいのでしょうか?

うつ病で休職した時に休職中の過ごし方がわからずに余計にストレスが溜まってしまい、休職が長引く、休職中の過ごし方をあまり考えずに過ごしてしまい、休職期間の終了が近づき焦ってしまい、それがプレッシャーになってしまう。

このような方からのご相談もあります。

休職中の過ごし方は初期が一番大切でもあります。

今回から何回かに分けて、うつ病などのメンタルヘルス問題で仕事を休職することになったものの、復職に向けて自宅でどのように過ごしていいのかわからずに困っている方に向けて記事を書きます。

まず、休職することになったあなたに初めに読んでほしいのは以下の記事です。
うつ病での休職中の正しい過ごし方とは | 再発しない安全な復職を実現するためのポイントを徹底解説

上記の記事では以下の6つのポイントをまとめています。

  • まず会社に確認すべき休職についての制度や傷病手当などの手続きについて
  • 復職できる状態とは?
  • 休職直後から復職までの流れ
  • 復職直後に注意すべきこと
  • 休職中に取り組むべき再発予防について
  • 休職・復職Q&A

これから読んで頂く本記事は、休職直後の過ごし方についての具体的に内容になります。

※ブログ執筆者 AIDERS 代表 山﨑正徳のプロフィールは こちら


先生からは「休職中は家でゆっくり休んでね」と言われたんだけど…

「先週からうつ病で一ヶ月休職することになり診断書をもらいました。精神科の先生からは家でゆっくり休むように言われているんですが、家にいても不安で落ち着かなくて、どんどん辛くなってきます」

「気分転換で買い物に出かけてみても、スーツを着て歩いている人を見ると、なんだか自分だけさぼってるような感じで…。今頃、職場でみんな私のことを悪く言ってないかなとか、色々考えちゃうんです。休職した人は、みんなどうやって過ごしているんですか?」

こんな相談を、これまでに数えきれないほど受けてきました。

あなたもそうだと思いますが、休職をすることになった時、先生からは「とにかく今は無理しないで、家でゆっくり休んでね」と言われましたよね。

でも、「ゆっくり休めと言われたけど、本当にじっとしてるだけでよくなるの?」「少しは運動したり、仕事の勉強したり、何かした方がいいんじゃないのかな」とか、色々な疑問を抱え、途方に暮れているのではないかと思います。

そんなあなたは、まずこのブログを最後まで読んで、休職から復職までの正しい過ごし方を学んでください。

今はとても辛くて、不安で押しつぶされそうですよね。逃げ出したいですよね。

「私なんて社会のレールからはみ出た価値のない人間だ」と自分を責めてしまっていますよね。

でも、大丈夫です。みんな初めはそうなのです。あなただけではないのです。

だから、まずは私の話を聴いてください。
今日は「休職をしたばかり」のあなたに伝えたい、本当に大切な話です。


休職という事実を受け入れられない、「苦しみと孤独の休職初期」

休職をすることになったあなたを初めに待ち受ける最大の困難。

それは、「休職」という事実を受け入れられないことによる、想像を絶する苦しみと孤独です。

「家にいるのがあまりにも辛くて、公園のベンチに座って、楽しそうに遊んでいるお母さんと子どもを見て。あー、私なにをやってんだろって。もうこのまま死んだ方がマシなんじゃないかなって思って。そのままボーっとしてて、気づいたら2時間経ってました」

「とにかく、一日が長くて辛いんです。仕事のことばかり考えちゃって。上司からは実家に帰ることを勧められたけど、母親が心配性なんで、休職したことすら言ってなくて。それで、もうこのまま復職できないだろうなと。ちょうど住んでるマンションが駅に向かう道に面していて、窓から歩くサラリーマンがたくさん見えるんですよ。あー、みんな仕事してるのに、おれ何やってるんだろうと」

「休職したばかりの時は、地獄の苦しみでした。近所の人に見つかりたくなくて、昼間はじーっと、テレビの音もできるだけ小さくして家にいました。夜になって、ようやく買い物に行って。1週間で昼夜逆転してましたね。死にたいとまでは思わなかったですけど、もう自分は終わったなと本気で思ってました」

これらは、実際に復職をした方が、休職した当時を振り返って語った言葉です。

どれも物凄く重みがあり、まさに「地獄の苦しみ」が伝わってきます。

「みんな、今頃自分のことを悪く言っているに違いない」

「私は本当はうつ病なんかじゃなくて、単に仕事が嫌で逃げ出しただけなんじゃないかな」

「もう会社に戻っても私の居場所はないはずだ」

「私の仕事は誰がやってるのかな。どうなってるかな」

「誰かを頼りたいけど、うつ病で休んでるなんて言ったら、どう思われるだろうか」

家にいても、頭の中は四六時中こんなことばかり。

先生から「休め」と言われたけど、焦りや不安、罪悪感、苦しみ、恐怖、悲しみなどの色んな感情が波のように襲ってきて、打ちのめされ、仕事は休んでいるけど気持ちは全く休まらない。

それが今のあなたではないでしょうか。
そうです。

休職初期は、「仕事は休んでいるけど、焦りや罪悪感で気持ちが全く休まらずに強い苦しみを味わう時期」なのです。


休職中は、じっとしていられなくて、運動や勉強を始めてしまう。

当然ですが、焦りや不安、罪悪感が強ければ強いほど、じっとしているのが苦しくなります。

そして、気分は天候や曜日、時間帯にも左右されます。

みんなが仕事をしている時間は苦痛の波に襲われ、夜間帯や土日は多少マシになる。だから昼夜逆転してしまう人も少なくないのです。

人によっては万歩計を買ってウォーキングを始めてしまったり、英会話や資格の勉強を始めてしまったりして、体力を酷使します。お気持ちはとてもよくわかります。

その方が安心できますし、家でじっとしているよりはマシに思いますよね。

ただ、残念ながらそれらの取り組みは、あなたの体調をより悪化させてしまうことがほとんどです。

なぜなら、休職をするほどうつの状態が悪化したということは、怪我で例えれば骨折しているようなものです。

骨折をしたのですから、できるだけ動かないように、安静に過ごすことが早期回復には欠かせません。

そこで無理をすればより悪化し、回復が遠のいてしまいます。うつ病もそれと一緒です。

会社に行けなくなるほどに、あなたは毎日毎日、重い体に鞭を打って仕事をしたのでしょう。

「行かねば」「がんばらねば」「休むわけにはいかない」

こんな風に、毎日毎日自分に言い聞かせて布団から起き上がり、顔を洗い、着替えて、電車に乗り、遅い時間まで仕事をこなし…。

なんと大変だったことでしょう。どれだけ一週間が長く感じたことでしょうか。

だから、あなたは「逃げ出した」のではない。「弱い人間」なのではない。

むしろ、本当によく頑張ったのです。

それだけ無理をして酷使した体は、もう悲鳴をあげています。

つまり、今の時点で復帰に向けて体を動かそうとすることは、マイナスに働きます。

今あなたに必要なことは、とにかくゆっくり休む。

「早く復帰せねば」「いつまでも休んでいるわけにはいかない」

こうやって休職してもなお自分を追い込むのではなく、「安心」「楽」「安全」をちゃんと感じられるようになること。

まずはそれが大切なのです。


休職初期の目標は「休めるようになること」

私が休職に入ったばかりの方とカウンセリングをすると、まずは「休職に慣れること」「休めるようになること」を目標として設定します。

あなたもわかると思いますが、これが本当に大変なんですよね。

でも、仕事から精神的に切り離されて、家でのんびりと休めるようにならないと、うつがなかなか回復していかないのです。

次回以降のブログで詳しく説明していきますが、おおまかには以下のような流れで復職に向かいます。

①休職初期(療養期):とにかく休む。仕事から離れ、のんびり過ごせるようになることが大切な時期。

②休職中期(回復期):休職に慣れてきて、友達に会ったり、買い物に行ったりできるなど回復を実感する時期。一方で、体調に波があり一喜一憂しやすい時期でもある。焦らず、じっくりと取り組んでいくことが大切。

③休職後期(リハビリ期):会社との話し合いや通勤トレーニングなど、復職に向けた具体的な準備に入る時期。

繰り返しますが、休職初期の今のあなたが次のステップに進むために、まず「休めるようになること」が大切です。

そのためにも、以下のことを心がけてください。

▶ とにかくゆっくりのんびり休むことを心がける。「安心」「楽」「安全」「嬉しい」などのポジティブな感情が味わえるリラックスした生活をする。

▶ 無理に運動や勉強をするなど、体力を酷使することをしない。

▶ 医師の指示に従い、処方された薬はきちんと飲む。

▶ お酒やネット、ゲームなどへの依存に気をつける。

▶ 規則正しい生活を心がける。

▶ 職場との連絡は「休職に関する事務連絡のみ」に徹底すること。メールをチェックしたり、担当していた業務のことでいつまでも電話対応を行うなど、業務に関わることはしない。

▶ 診断書に書かれた休職期間は、あくまでも経過を見る期間であり「その期間が過ぎたら復職をする」ということではない。「来月から復職だ」などと決めつけないこと。

▶ 焦りや不安、罪悪感などを一人で抱えない。主治医、カウンセラー、家族などと共有する。


休職初期(療養期)を抜け出せない人の特徴

初めは大変だと思いますが、とにかく無理をせず「休む」ことを心がける。

これで、早い人は一ヶ月くらいで休職に慣れてきます。

仕事のことは多少気になるものの、焦りが少なくなり、日中はのんびりテレビを見たりして過ごすことができる。

「こんなにのんびりしていいのかな?」なんて思いながらも、ゆっくり過ごす。
できるだけ早くここまで行けることが理想です。

ただし、人によってはなかなか休職初期(療養期)から抜け出せない人もいます。

いつまでも罪悪感が消えず、自分を責め、不安や焦りに苛まれ、無理をしては体調を崩す。

気づけば3カ月、6カ月もこんな苦しい状況が続く人もいます。

では、このように休職初期(療養期)からなかなか抜け出せない人は、どんな特徴があるのでしょうか。思い当たるものをいくつか挙げてみます。

  • 主治医に薬を飲むように勧められているものの、服薬に抵抗があり拒否している。
  • もともと性格的に自信がなくて、「仕事の評価」=「人間としての自分の価値」だと思いこんでいる。
  • 同居している家族との関係が悪く、家にいても休めない。
  • 休職に至る過程でトラウマとなるような強い苦痛やショックを受けた(パワハラなど)。
  • 休職に至るまでに無理を続けていた期間が長く、疲労が抜けない。

あなたに当てはまるものはありますか?

もしあなたが、休職をして一ヶ月が経過しても焦りが消えず、結果として休職が長引いてしまっているようなら、できるだけ早くカウンセリングを受けることをお勧めしたいです。
(※カウンセリングのお申し込みはこちらよりお願い致します)

というのも、診察自体が3分くらいで終わってしまい、休職中の具体的な過ごし方や家族との関係、復職に向けて心配なことなどをゆっくりと話して、先生から具体的な助言を受けているという人が意外と少ないものなのです。

あなたもそうではないですか?

出された薬だけ飲んで、体調を報告して、「じゃあ、また次の診察で」と言われて、あとは何をどうしていいかわからなくて、一人で悩み過ごす。

本当は困っていることを先生に相談したいんだけど、先生も忙しそうだし、診察でこんなことを相談していいのかな?

「くだらない」と思われないかな?呆れられないかな?

こんな感じで、先生に言い出せない人が多いんですよ。
つまり、孤立している人が結構いるのです。

確かに、先生が忙しそうだと不安になるし、診察で自分のことをどこまで話していいのか、みんなどこまで話しているのか、わからないですよね。

でも、まずやってほしいのは、勇気を出して先生に相談してみてください。
先生はあなたが言い出さないから、困っていることに気づいていないだけかもしれません。

ただ、もし先生に相談しづらかったり、話をしても具体的な助言がもらえなかったりして困っているようなら、早めに私に相談してほしいです。

あなたが今どんな状態で、そして復職に向けてどのような過ごし方が適切であるのかなどをきちんと確認して、正しく休む。これが本当に大事だし、あなたが自分のことを大切にするということだと私は思います。

関連記事:パワハラで休職した人がなかなか復職できない理由は、「職場に安全を感じていないから」


休職中の過ごし方がわかっても、うつの辛さが改善されるわけではありません。

続きはうつ病の休職中期(回復期)の過ごし方の記事で説明しますが、最後に大切なことをお伝えします。

この記事を読んでいる方は、「うつ病で休職中の過ごし方」が知りたい方が多いと思います。

しかし、休職中の過ごし方を知ったけど、これで順調に復職に向かうのか?と考えると、実際過ごし方を知っただけではあなたの気持ちは全く楽にならず、頭の中であれあやこれやと考えては混乱し、落ち込んでしまう。

長くてもあと2カ月で復帰しなきゃ!なんとか4月には戻らないとだめだ!

でも、いざ仕事のことを考えると、胸がギュッとなって、喉が詰まって不安で押しつぶされそうになる。

先生からは診察で「どうします?戻ります?」と聞かれるけど、それって私が決めるものなの?実際どうなの?みんなどうしてるの?と不安になりますよね。

仕事が怖い、でも復職しなきゃ

早く普通の生活に戻さなきゃ

でも、怖い。

あなたの頭の中は、今日も明日も、こんなことの繰り返しではないでしょうか。

焦り、不安、落ち込み、混乱休んでいても考えが止まらず、余計にストレスが溜まりますよね。

この記事を検索して読んでくれている皆さんは、まだ、「余裕があります」

余裕がある今だからこそ、あなたを悩ませる辛いうつを、苦痛に満ちた毎日を、私と一緒に乗り越えていきませんか?

あなたの目標は「復職すること」ではありません。
「復職して、再発せずに元気に働き続けること」ですよね?


あなたが、元気になって会社へ復職し、笑顔で毎日を過ごせるようにお手伝いさせていただきます。

大丈夫!きっと良くなりますよ^^

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▶続きはこちら → うつ病の休職中期(回復期)の過ごし方


カウンセリングを利用したお客様の声

「カウンセリングを受けようか迷っている方がいたら、時間がもったいないですよ、と背中を押してあげたい」(50代・女性)

今回自分が「休職」という人生初の状況に置かれ、想像もしていなかった苦しさや孤独感自分はダメな人間だという気持ちに押しつぶされそうになり、カウンセリングを受けようと思いました。

カウンセリングを進めていくうちに、自分では気がつかなかった考え方の癖や行動に気づく事ができました。

これまで当たり前にやってきたことが、実は自分を苦しめていることだったり、心の奥底で望んでいたことに初めて気づいたり・・。

休職に入ったばかりの頃は、ただ泣くか、消えてしまいたいと願うばかりでしたが

「あぁ またこんな考え方をしているなぁ・・」
「また負の感情ばかりになっている・・こんな時はどうしたらいいんだっけ」

カウンセリングでのアドバイスを思い出しながら、感情を少し違う方向に持って行くことが出来るようになってきました。

自分と向き合う時間が出来たことで、以前より客観的に物事を観ることが出来るようにもなりました。

きっと私は辛さや悲しさを、忙しい環境にいることで忘れようとしていたのだと思います。

仕事で忙しいから、そんなことを考えている暇はないのだと誤魔化しながら生きてきたのだと思います。

海外ではカウンセリングを受けることは歯医者に行くのと同じくらい気軽なことのようです。

日本では何故か「心が病んでいる人が受けるもの」と取られがちで、私自身も少しハードルが高いイメージを持っていました。。どんな話をするのだろう・・何を言われるのだろう・・。

最初は心配もしましたが、すぐにそんな思いはなくなりました。

うまく話すことが出来なくても、きちんと聞いてもらえます。涙で話が続かなくなっても、ちゃんと待っていてもらえます。

カウンセリングを受けようか迷っている方がいたら、迷う時間がもったいないですよ と背中を押してあげたい

私はもっと早くにカウンセリングを受けておけば良かったと思っています。

病まないためにも早く相談をするべきだったのに、気合いや根性で何とかしようと思ってきました。

カウンセリングを受けていたら、きっともっと楽に、生きて来られたはずだと思うのです。

真っ暗な森の中に一人ぼっちでいて、どちらの方向に進んでいいのか分からない。
辛い状況の中でコンパスとライトを手渡してもらえたような・・

そんな安心感を得ることができ、山崎さんに心から感謝しています。

「カウンセリングに行くのは正直とても勇気がいりました。でも今は、勇気を出して行って本当に良かったと思っています」(40代・女性)

職場でのトラブルをきっかけに休職になり、1か月以上一人で悶々としていた時、HPでこちらのカウンセリングを見つけて相談に行きました。

話を親身に丁寧に聞きながら、辛く苦しかった気持ちをすべて受け入れて下さり、的確なアドバイス、今後の方向性について話しをしてくださいました。

自分では焦る気持ちや怒りの感情で正しい方向性が見えなくなっている中で、私の心身の事を気遣いながら最善な道を示していただきました。

1度のカウンセリングでも気持ちが落ち着き、分かってくれる方がいる安心感と心強さを感じました。

カウンセリングに行くのは正直とても勇気がいりました。でも今は、勇気を出して行って本当に良かったと思っています。

一人では自分の思考の中で結論を出そうとして正しい選択ができなかったり、我慢をすることで自身を納得させてしまうことがありましたが、相談することで、自己を見つめ直し、正しい選択ができるようになりました。

山崎さんが客観的な目で正しい方向性について一緒に考え、支えて下さったおかげです。
そして、何よりも一人じゃないと思えたことが大きかったです。

悩みで一杯になっているときは、自分以外誰も信じられない、誰もわかってくれないと殻に閉じこもりがちになります。

それが話すことによって受け入れてもらえた安堵感を持つこともできました。

休職中の方や、家族、身内の事で悩んでいる方、一人で抱え込んで頑張ってしまう方などは、カウンセリングを受けて、誰かに話すだけで心が楽になり、本来の自分を取り戻すきっかけになると思います。

▶続きはこちら → うつ病の休職中期(回復期)の過ごし方

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公認心理師・精神保健福祉士。精神科・EAP機関・カウンセリングルーム・学校などで、2万件以上の相談を受けてきたカウンセラー。講師としての経験も豊富で、企業や公的機関において15年以上に渡り、メンタルヘルス、ハラスメント、コミュニケーションなどをテーマに講演を行っている。
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